G [日常]

目の錯覚かと、思った。

いや、目の錯覚であって欲しかった。

その漆黒の姿。

空耳かと思った。

いや、空耳であって欲しかった。

あのカサカサ音。


その、存在を思わせた翌日、自宅の戻り玄関を開けると、

やつが、こちらをみて、触覚をフリフリして、「おかえり」と、出迎えてくれた。

いやあああああああああああああああああ。
.
G.

正式名称の記載も控えさせて欲しい。

私は、Gが嫌いである。

なぜだ。おうちにたべものはあまり、置いてないはずなのに。

よそのおうちに、いけばよいのに。

心からそう願う。

だが、こうなった以上は、やむをえまい。

「よろしい、ならば、戦争です。」

私は、大枚をはたき、

G用ポジトロンスプレーと、G用のトラップハウスを購入。

まずは、トラップハウスを部屋に仕掛ける。

私は、ポケモンをしながら、Gの出現を待つ。

しばらくして、がさっと音がする。

振り返ると奴がいた。

「こんにちはー」ペコリ

とおじぎをしている。

私はポジトロンスプレーを噴射。

ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさい・・・・。

そう念じながらも、噴射の勢いを緩めることはない。

その後、信じられないことが。

Gの飛翔。

Gが飛行アビリティを持っていたことを、私はすっかり忘れていた。

びっくりして、ポジトロンスプレーを落とす私。

Gは、お風呂場のほうへ、飛んでいった。

ちっ!

逃がしてしまったか・・・。

そののち、Gの姿を見ることはなかった。

何日後だろうか、下駄箱の脇のタウンページを片付けていると奴の骸が転がっていた。

「あの時、仕留めたんだな・・。」

結果、私の勝利だったようだ。

だが、奴の骸をみていると、共存の道はなかったのかな?

実は気のよいGだったのでは?

などと考えてしまう。

まだまだ、私は甘い、

もやしこである。

戦いはいつもむなしい。

黒雪姫.jpg

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