ぼくのパチンコ代走

夕方。
退屈なので、誰かいないかな、と
湾岸沿いにある
ラスベガスにゆく。
店内に、友人の姿をみつけ
そのまま麻雀に突入できれば、
と、目論んでいる。
彷徨いてると、肩を掴まれた。
「おう!おまえ、なんしよんか?」
マサカッツだ。
伝説の番長マサカッツ。
マサカッツの恐怖の伝説は
聞き及んでいたので、
めちゃびびり駄目なわたし。
高校のとき、廊下で、大暴れしていた
景色は、私の記憶の中に鮮明だ。
マサカッツは、続ける。
「おう、おまえ、暇なら
頼みがあるんやけどのう。」
なんだろう。びびりながら、
いいよ、と答える私。
マサカッツは、よし、と
頷くと羽根台を指差した。
「おう、俺のかわりに
あの台をしめてくれ!」
ドッキリマン。
なんか、棒みたいなものを持った
役物がついてる羽根台だ。
「終了台をな
開放したんやけどの、
もう、打つのが面倒くさいんや。
おまえ、おれの代わりに、
あの台やっつけてくれ!
と、夏目漱石を3枚もらう。
麻雀を打つ予定の仲間達も
まだ、パチンコを打っている。
私は、終了台なら
そうそう負けはしないだろう、
暇つぶしにはなるわな、と
そのミッションを受けた。
けれど、その3000円もほどなく
飲まれた。
1時間ほどして、マサカッツが
私のところに来た。
「おう、調子悪いみたいやの。
手強いんか?
ほら、援軍じゃ。
頼んだぞ!」
と、さらに1000円札を3枚くれた。
よく鳴くし。
玉は拾うがVには入らず。
結局、最後までドッキリマンは
上皿プレイのまま。
全く出ない。
ハコの出番もなかった。
マサカッツのお金を
6000円も溶かしてしまった。
閉店の音楽寂しい店内で
マサカッツに、惨敗の報告を
する私。
マサカッツは
「手強い台やったな。」
と、遠くを見ると
「打たせて悪かったの。
これで、何かうまいもんでも
食うてくれ!
今度、飲みに行こうな!」
と、さらに2000円くれた。
灯りが消え始めるラスベガスを
後にして
フルスモークのY3グロリアで
夜の街に消えるマサカッツ。
いきなり、なんか
スケールの大きなことが起きた。
わたしは、そのあとの
麻雀中に、仲間に
「マサカッツとの出来事」を話す。
けれど、マサカッツからもらった
2000円はそのまま、自分のポケッツの
なかに、押し込んで独り占めした。
なんか借りができたな。
今度マサカッツに会うことが
あったなら、代打ちは頑張って
Vゾーンに入れまくって
終了しまくってやるぜ!
と、思った。
思うだけ思った。
20歳の頃の思い出だ。
ちなみに、麻雀はもちろん
朝まで打った。
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