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ドラゴンクエスト2 [黄金の80年代]

トキメキは尽きない。

キモイ言葉だが、私はドラクエにときめいていた。

高校生だった。冬休み直前。

勉強をするふりをしながら、私は「ファミコン通信」を読んでいた。

この冬休みには、あの「ドラゴンクエスト」の続編が出る。

その記事を確認する為だ。

当時のお小遣いでもかなりの出費になる雑誌「ファミコン通信」。

それでも、購入する理由はとにかくそのドラゴンクエスト2のゲーム画像を見ていたかったから。

部屋のカレンダーには、ドラクエ2の発売日に「まる」が付けてある。

今度は、仲間がいるんだ。

サマルトリアに王子が、ムーンブルクに王女。

まだ、想像だにできないパーティプレイ。

そして、最強の魔法、パルプンテ。

サマルトリアの王子には、荷物を持たせよう。

ムーンブルクの王女には、回復系の薬を持たせよう。

毎日、毎日、ドラクエのことばかり考え、授業中はドラクエのイラストばかり描いていた。

しょこたんの気持ちも、私には理解できる。

当時は、発売されるゲームの本数もすくなく、PCを持っていない私にとって、ゲーム機といえば

ファミコン。

あの赤と白の紅白饅頭のような雰囲気も悪くない、と感じていた。

そして、ドラクエ2のために、お昼御飯代をコツコツと貯めていた。

期末テストが終わり、あとはドラクエを待つだけ、そうして迎えたその年末だった。

冬休みは、毎日ドラクエだ。

想像しただけで、胸が躍る。生きていたい。

しょこたんの気持ちが痛いくらい私には理解できる。

交通事故とか、そういった理不尽なミスは絶対許されない。

早く発売されてくれ!

部屋で、ファミコン通信のページをめくる。

新着ゲームレビュー。

きれいなゲーム画像が並ぶ。

一つ目の緑の巨人の画像を眺める。

どのようなシチュエーションで戦うのかな?

わくわくしながら、ページをめくり、目をうたがう。

!!

ドラゴンクエスト2悪霊の神々2月発売。



2月。

は?

嘘だろ?

嘘だろ?

嘘だろお!

当時高校生だった私は、マジ泣きした。

本当に涙を流して泣いた。

お恥ずかしい話だが、本当に本当に悲しかったのだ。

しょこたんの気持ちが本当に私には、理解できる。

楽しい冬休みの予定が霧散する。

もう、冬休みまであと2週間だ。学校休もうかな・・・。

全てに無気力になっていた。

そんな私に友人ハヤシンポフは、声をかける。

「発売中止にならんかったんやけ、まだいいやん」

!!

発売中止!

そうか、その可能性もあるのか!

ひえええ。

そういえば、1Mだ、広大なマップだ、などと、ドラクエ2はずいぶんと風呂敷を広げすぎている感じがする。

どうしよう。

ドラクエ2発売されなかったならどうしよう。

半泣きの私に一つのゲームタイトルが目に付く。

ファミコン通信の新着ソフトの予定ページ。

ファイナルファンタジー

ジャンルは、当時は少ないロールプレイングのようだ。

発売は、冬休み前。

私は、やるせない哀しみをこの正体不明のソフトで紛らわすことに决めた。

クソゲーでも構わない。

そう思い、購入する決意をする。

頭の中で、鳥山明のパッケージのイラストがぐるんぐるん回る。

このわくわくするパッケージイラスト。最強である。↓


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