初音ミクの贈りもの [哲学するパラロス]

哲学とは、物事の本質を考えること。

そんなに特別なことじゃない。

人間ってゆうのは、死に向かって生きる悲惨な存在だ、と近代哲学者はいう。

うん、確かにその通り。

「死ぬこと」は抗えない絶対的事象なのだから、どうにもならない。

死にたくなければ、生れてこないより、他に方法はない。

あまりにも、等しく哀れな真実。

なんで、こんなこと考えだしたかというと、

今日のお昼、またしても揺れやがったから。

震度4らしいけど、縦揺れから、横揺れになる間、死を覚悟しそうになる。

九州にお住まいのみなさんに伝えたい。

「ほんと、まじ、こええええよ?」

「地震、パねえよ?」

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ふと、思う。

音楽っていうのは、その「悲惨な人間」に神様が慰めとして、授けてくれた贈り物なのかも知れない。

だから、人類のの不確定少数にメロディーは天啓のように降り注ぐし、言葉を凌駕して共有できる。

教会で響く賛美歌が、心やすらぐ理由も然り。

音楽はある意味、普遍的な宗教そのものなのかも知れない。


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青髪ツインテール。ニーソックス。

そのモロそっち系のルックスに、「初音ミク」を敬遠している人は多いと思う。

けれど、耳を傾けてみて。

新しい世界がそこにはあるから。

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好きな音楽。聴き続けているのは

オフコース、さだまさし。

そして、ミスチル。

なんとなく、気持ちが、落ち着くので、昨今はずーっとミスチルだった。

けれど、ふとしたきっかけで

「歌に形はないけれど」

を聴き、みくうた を聴くようになっちゃった。

実は、藤田 咲さん(ミクの中の人)の声そのものは、あまり好きになれなくて

ずっと、みくうたは敬遠していた。


音は作れるし、伝えたいものはある。けれど、歌えない。

だから代わりにミクに歌ってもらう、この切ないコンセプトがいつしか、

「歌詞は作れる、けれど乗せるメロディを紡げない人」の力を借り

「情景を描ける人」を巻き込み、一つの強力な作品を世に輩出する。

グーグルクロームのCMで流れたtell your worldは一つの大いなる成果だと、思う。
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誰もがクリエイターとなれる新時代の到来。

おのおのの秘めた感性を、形にすることのできる素晴らしい世界。

他人へ伝えたい想い。

他人と繋がりたいと願う気持ち。

ネット時代で、コミニケーション障害が懸念される昨今であれど、

人間は他人を求める。

誰かと想いを共有したいと願う。

上手に伝えられなくて、苦しみながらも

誰かの役に立ちたいと願う。

この想いを誰もが変わらず持っているという、ひとつの結実した姿、証(あかし)が

初音ミクなのだと思う。

みくうたに、魂が震えるほどの神曲が多いのは、曲数の分母な数もさることながら、

営利目的ではない、純粋な伝えたい純粋な想いがそこに込められているからだと、

あたたかく、そう感じるのだ。

何かを形にしたい、そう願う限り、人は誰でもクリエイターである。

貴賎はない。全て等しく尊い。

人が、死より淘汰される存在であっても、その想いは永遠に残る。



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