ぼくのサバンナチャンス

果てしない昔。
心酔とは、まさにこのこと。

サバンナチャンスに夢を見る。
目を閉じればあのメロディー。
仲間はみな、魅力されていた。
ケータイの待ち受けはチエナナ。
高確率の状態ハズレ目をひくこと。
それがアシストタイム
サバンナチャンスへの突入条件。
高確率状態にはビックボーナスを
引かない限り、移行しない。
愛読していたパチスロ必勝ガイドの
記事でそのことを知り、
私はビックボーナスをほどよく
引けている台を狙い打っていた。
その日は、ノーサバンナ。
ノーサバンナほど
惨めなことはない。
三万やられて居酒屋に流れ着く。
勝ち組の二人との一献。
「おまえはなあ、チョロチョロ
動き過ぎじゃ。」
とマサカッツ。
「おう、そうや、男やったら
台と向かい合って勝負せんかい!」
とタクボン。
タクボンは、どんなときも
台移動はしない。
台と、生きるか死ぬかの
勝負をしているからだ。
確かに二人のいうことにも
一理ある。
「獣王」は、最低設定の1でも
ビック4回に1回はアシストタイムに
突入するとのことだし、
むやみに台移動をするよりも
一台を打ちきったほうがよいのでは?
サバンナチャンスが引きたい。
とにもかくにもサバンナチャンスだ。
私は、酔いもあり、ふたりに 、
明日は何があっても1台勝負。
絶対にイモは引かないと、誓う。
実は、勝算はあった。
パーラーアサッヒの
カドから2台目。
今週はずっと悪くない。
明日だけ悪い、ということは
そうそうあるまい。
翌日。
並び順入場なので
早い時間からアサッヒへ。
開店のファンファーレとともに
店に飛び込み左のコーナを駆け抜け
「獣王」のシマへ。
もみくちゃにされながら
タバコのライターを台に投げ込む。
10万円ある。
それらを全て1000円札に両替。
一発当てればそれでOK。
台との真剣勝負だ。
開店のアナウンスが響き
みなが高確移行の為
台を覗き込んでいる中
高設定を信じて
1000円札を夢中でサンドに
ほおりこむ。
負けたときのことなど、
1ミクロンも考えていない。
若さとは、そういうものなのかも
知れない。
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