俺の上司がこんなに悪いわけがない。(日常)

10年前の記事を再録します。


お昼、ブチョリーナと、ブチョリーナの子分のくまと三人で、ラーメン屋Mへ向かった。


宇宙一美味しい 坦々麺を食べる為だ。


ウルトラヴィッツ2号は、亜高速で目的地へ向かう。


みんな、腹ペコだ。 あたりまえだろ?おひるなんだから!


テーブルに着くと、3人ともメニューには一瞥もくれず、注文する。


食べたいメニューはただひとつ!みんな坦々麺だ。


ふと、視線を落とすと、我々の食卓となるテーブルの中央に、一匹の蟻がいた。


蟻の癖に上品に静々と、テーブルの左から右へ、歩いている。  


なにを思ったのか、ブチョリーナがいきなり冷たい氷水(お冷)の入ったガラスのコップを手にして


蟻を閉じ込めた。 コップの底の凹型のへこみに閉じ込めたのだ。


「蟻のやつ、寒くて、きっとびっくりしてるぞ。」


ブチョリーナは、楽しそうに言い放つ。


蟻に意地悪をしているのだ。


「そろそろ、許してやろうかなあ」


許すもなにも、蟻は何も悪いことしてないのに。


私は、そう思ったけれど、突っ込むのは面倒くさいので、知らん振りをしていた。


ブチョリーナが、コップを上げると、そこには、黒い破片があるだけ。


よく、見ると、それは蟻の足だ。


ブチョリーナは、やってしまった。という表情をして、コップの底を見る。


そこには、変わり果てた蟻の姿があった。


楽しいお昼のひと時が、一瞬にして嫌な空気に包まれた。


ブチョリーナは、蟻に意地悪をしているだけのつもりだったのだろう。


だが、蟻にしてみれば、まさに命がけの出来事だったのだ。


自分にとっては、軽い気持ちでの所作が、相手の命を奪うこともあるのだ。


まあ、今回は相手といっても、昆虫だけれど・・。


私は改めて、相手の目線に立って考えることの大切さを感じた。


もし、ブチョリーナが蟻の気持ちを、少しでも考えることができたのなら、


このような悲劇は起きなかっただろう。


ブチョリーナは、この惨劇の後、何事もなかったように、


ティッシュで蟻さんを包んでテーブルの脇に放置して、知らん顔をした。


私は、ブチョリーナの所作をしこたま非難したが、当然のようにガン無視である。  


ブチョリーナはやがて、運ばれてきた坦々麺に本当に何事もなかったように箸をつけた。  


そう、何事もなかったのである。彼の中では。  


私は、ブチョリーナの悪党っぷりに恐怖した。


もはや、アンタッチャブルなんてイカした存在ではない。


完全なワル。ダークな存在である。  

ブチョリーナは私ごときが、なんとかできる存在ではない。  


きっと第六天魔王の生まれ変わりの子孫か何かだと思う。 2011101919390000.jpg

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