イケボ。ブロークンハート

今日は、営業会議が粛々と執り行われる。

会議、といえば、議論を戦わせる、熱いビジネスマンの戦場。
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時として、議論が大議論に発展することもある。

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イケボキャラへの革新を目指す私は、他人の発言には頷き、メモを取り

最後に発言する、という姿勢を貫く。

いつもは、ブチョリーナの小粋なダジャレには、突っ込むのだが、

今回からは、そのダジャレすらメモにとる有様。

私は、全力でジョブチェンジに挑んでいるのだ。

俯瞰して議論の様子を窺うと、全体像が見えてくるから不思議だ。

だが、問題が発生した。

ぶチョリーナが、私に、ぽつりとつぶやく。

「どうした?体調が悪いのか?」

心配そうな顔。

え?

「いや、ただ、イケボになりたいだけなんですよ!」

とは言えず。

「お腹が減っているだけですよ!」とか

軽口を返すことも、なにか、間違っている気がした。

とりあえず

「大丈夫です」

とかっこよく、答える。

なんだか、まるで、大丈夫じゃないのに大丈夫って

強がっている感じになった。

全然、大丈夫だし、本当は、はっちゃけたくって仕方ないくらい、元気なのに。

クールに生きることは、かくも困難なのか?

もう、挫折しそうである。
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