ジョブチェンジ!キボンヌ [日常]

一度、定着したキャラクターを変えることは、困難だ。

高校生になり、少しは大人になろうと、目立たないようにしよう、そう心に決めていた。

おちゃらけキャラは、もうごめん被る。

ダーティーハリーに憧れていた私は、高校デビューを目論んでいた。
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そして、入学して最初の授業。

体育の授業。まるで、軍隊のように厳しい授業内容。

だが、キャラチェンジを目論む私は、平然を装う。

体育教師は、怒号をあげ、行列を整え行進するように命じる。

恐怖が、場を支配する。

そして整列。恐ろしい形相で、生徒の姿勢を竹刀で叩き、指導する体育教師。

私の前で、立ち止まる。

「ぷっ、くくく・・」

ん?何やら、体育教師の様子が変だ。

顔を上げると、必死の形相で、笑いをこらえている。

「いいから・・ぷ」

「着替えてきなさい」

吹き出しそうになることを、我慢しながら、私に命じる体育教師。

私は「どうしたことか」と、自分の姿を他人と比べる。

高校デビューの大事な日だ。トラブルはごめん被る。

明らかに、私の姿は、他人と違う。

私のズボンには、ポケットがあるが、他の人にはついていないのだ。

ポケッツの有り様が、おかしいのである。

私にだけ、前ポケットがある。

あれ?体操服、間違えたかな?

内心、焦る。

しかし、高校デビューを目論む私は、クールに返す。

ここが、勝負だからだ。3年間が、ここで決まる。

「僕、体操服は、これしかないです」

教師に口答えをするアウトローよろしく、できるだけ無頼に答える。

殴られてもよい。キャラをかえるのだ。

「ばか!うしろまえだ!」

体育教師は怒鳴る。

ウシロマエ?なんすか?それ?

うしろまえ。ズボンの前と後ろを間違って履いちゃうこと。

小さいお子様には、よく起こる現象。

周囲が笑いに包まれる。

むうう。

私の高校デビュー計画は、瞬殺された。

以後の人生を、愉快に暮らすことを余儀なくされる、そんな大事件だった。

だが今。長い歳月を超えて、キャラチェンジの野望が燃える。

プロジェクト・イケボ

必ず完遂する。

愉快なキャラとは、もうお別れである。

今日も1日、キャプツンハーロックのように、過ごした。

一人だけの宇宙海賊だ。

けど、海賊だってことバレたら、ぶチョリーナが悲しむから、内緒。

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なんとなくいけそうだ。






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