アウトローな夜4 ぽっくす小噺

このお話は、フィクションです。

そのポリスマンは、承太郎よろしく、やれやれといった様子で口を開く。

「君も、お酒を飲んどんやろ?」

「はい、車の運転は出来かねる所存です。」

丁寧に答えるとってもよい子な私。

国家権力に逆らってはいけない。

しかも、彼らは合法的に拳銃を持っている。

私はさほど、飲んでいなかったこともあり、すっかりシラフだった。

反逆しまくっている、Rぞうに結構本気で恐怖していた。

ポリスマンは少し、考えて、

「しかたないねえ、家まで送ってくけ、パトカーに乗りなさい」

Rぞうのマーク2は、もう一人のポリスが家まで運んでくれるという。

いやはや、しかし、優しいポリスマンだ。

「失礼しマース」

私も、パトカーの後部座席、Rぞうのとなりに座る。

「あんた、なんしよるん?」

半切れなRぞうが、私を睨む。

パトカーっていうのは、やはり乗り心地が悪く居心地が悪い。

もう、「ぽっくす」どころじゃないよなあ。

私は、当たり前のことをぼんやり考えていた。


わたしのあたまのなかはけしごむ

甲府での、スペシャルミッションを完遂。

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せっかくの甲府だが、スケジュールが厳しく、甲府のモチダム氏には連絡すらできなかった。

タクシーをおり、あずにゃんだか、カイジくんだかの、特急券を購入しようと

小銭入れから端数の小銭を取り出そうとする。

あれ?

ズボンの右ポケットに、いつも入れてある小銭入れの感覚がない。

あれ?あれ?

血の気が引く。

あの、小銭入れは100円均一で購入した安物。

中には、600円位しかはいっていない。(いつ落としてもよいように、少ししか入れない習慣をつけている。)

拾っても600円の価値しかない。

つい、先日も小銭入れを落として、(中には200円くらいしかはいってなかったけれど)

猛省したのになんでやねん。

だが、あの小銭入れには、今回にかぎり、何故か、家の鍵が入っているのだよ。しゃれになんねええー。

出張ということで、鍵を、背広のポケットから、小銭入れに移したことが仇となった。

すなわち、私は、いきなり帰宅困難者になってしまったのだ。

業務上での個人情報などの扱いに気をとられ過ぎて、私物へのケアが足りなかった。

まいったなあ・・・・・・

空から、私の心象風景を表すかのように、小雨が降ってきた。

タクシーから、駅の改札までの道を何度も往復する。

交番に足を運ぶ。

やはり、届いていない。

2時間ほどが過ぎ、案の定、おなかが減ってきた。

これだけ探してないのだ。

もう、この世には存在してないのだろう。

物体が消滅するなど、ありえないのに・・・・。

大家の謝罪して、鍵を交換だなあ。痛い出費だ・・・・。

「ブチョリーナが調べてくれたお店で、何か食べて、とりあえず、帰ろう・・・」


そう考え、ブチョリーナに準備してもらったメモを背広の胸ポケットから、取り出す。

ずしゃ・・。

黒い小銭入れが、足元に落ちた。

「えーーー?うそーー?」

「え、胸ポケットに入れていたのか・・・。」

日頃絶対財布を入れる目的では、使わない小さな胸ポケット。

その発想は全くなかったし、そんなところに小銭入れを入れた記憶もない。

だが、しかし・・・。

奇しくもブチョリーナのメモに助けられる形となった。

ブチョリーナ、ありがとう。

もう、おいそれと失くさないように、小銭入れには、

ボディガードをつけることにした。

海賊王となる男である。(アップルジュースのオマケ)

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アウトローな夜3 ぽっくす小噺

このころは、まだ飲酒の違反も現在ほど重くはない。

だがしかし、免停は免れないだろう。

かくして、

Rぞうは、パトカーに収容された。

私は、マーク2の中で、ぽっくすの仲間を呼ぶべきか少し思案していた。

連中を呼んだところで、ただこの状況を楽しむだけで、問題の解決にはならない気がした。

おそらく、マーク2を運転することは、今日はもうできないだろうから、誰かに迎えに来てもらう必要がある。

パトカーの中で、Rぞうが猛烈に抗議している声が響いている。
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Rぞうの言い分は、こうだ。

「なんで、わたしだけつかまえるん?わたしをつかまえるなら、他の連中もみんなつかまえりいやあ!」

ようするに、罪は認めているが、足掻いているのだ。

このままでは、拉致があかない。

しかし、こんな、ポリスマンたちも、気が長い。

これだけ罵詈雑言をあびせられても、Rぞうをなだめるばかり。

だが、どんなにつっぱねても、見逃してはくれないだろう。

こんなへべれげなRぞうを許していては、国家権力は意味を成さない。

やはり、誰か呼んだほうがよいかなあ・・・

そう思いなおした頃、ポリスマンが私の方へ歩み寄ってきた。

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