アウトローな夜7 ぽっくす小噺

深夜のビリーヤード店を、パトライトの灯りが包む。

ビリヤード店に、物々しく乗りつけられたパトカーから、

偉そうにRぞうが、降りてくる。

「もう酒気帯はだめよ」

と声をかける、ポリスマンに、

「うるせえ」

ひとこと、返して、店内へ。

はたからみれば、完全に事件発生の様相。

店内にいた常連さんや、マスター、店員さんが、心配そうに見ている。

私は、まるでRぞうのマネージャーのように、パトカーから降りる。

事情を、説明する。

そのあとも、Rぞうは、ふつうにチェリー(ゲーム機)で遊び

酔いを醒ませてから、2時間ほど玉を突いた。

おそるべし、Rぞう、本当のアウトローである。

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ヒッチハイク

ふりーざコンビニの駐車場に車が止まっている。

若い男の子の2人連れ。

弱そうな2人なので、絡まれたり、トラブルになることはないだろう。

もう歩くことに飽き飽きしていた私は、彼らに声をかける。

「もし、茅野方面に行かれるのでしたら、乗せてもらえませんか?」

沈黙が続く。

「い、いや、無理です」

少し間があったが、あっさり断わられた。


残念・・・・・・。

私は、また歩き出す。ひたすら、凍てつく夜道へ、一歩を踏み出す。

鼻水が凍ってきた。

もし、タイムマシンがあれば、

列車内で、惰眠をむさぼる自分をポカポカ殴ってやりたい。

後方から来る車に手を上げる。

ヒッチハイクだ。もうこれしか手段は残されていない。

誰か乗せてください。寒いんです。

だが、ガン無視。

そのあと、何度も、何度も、手を上げる。

ひたすら、祈りを込めて。

だが、完全に無視。

足の指先の感覚も怪しくなってきた。

歩き出して3時間半、ようやく茅野に着く。

とんでもない、経験をした。

宿泊所のフロントに、人影はなく、メモと私の部屋のキーが置かれていた。

メモには、

「お疲れ様でした」の文字。

不覚にも、涙が出そうになった。

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ドラゴンボール、読み返してます。


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ドラゴンボール(鬱日記)今回はツイッター。

ふるさとは、遠くにありておもうもの。

とは、いううものの、やはり、帰りたいのだ。九州へ。

学生の頃から、、変わらず、私は九州が大好き。

駅のホームの喧騒ひとつとっても、ゆりかごのよう。

幸せな気持ちになる。

長く住んでいても、第2のふるさとができることはない。

原風景は、唯一無二の絶対価値。

どこでもドア、欲しいな。

ちょっと、鬱気味。ウっーツ。

そういえば、うつ元気かな。

ドラゴンボール、庭に7つ纏めて埋まってないかなあ。

そいつは、むりニャ!

読み返してみて、このブログ、うざーーーーーーーーーーー。

ツイッターって、難しいニャ。

だって、独り言だもんね。。

きめええ。

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サスライガー

駅のホームを抜け茅野を目指し、歩き出すわたくし。

ほんの少し、歩いたところで、視界に赤い回転灯が。

ポリスマンだ。どうやら、よっぱらいを介抱している様子。

わたしは、淡い期待を抱き、判りきっていることを、訊ねる。

もしかしたら、茅野まで、パトカーで送ってくれるかもしれない。

「すいません、ここから茅野って、やはり歩くと遠いですか?」

遠いことなど、1000も承知。

優しいポリスマンの返事を期待する。

「えー、歩いてかねえ?」

よい、リアクションだ。

その後に続く優しい言葉に期待する。

「気をつけて、行きなさい。この道をまっすぐ行くと、茅野。

そのままさらに、まっすぐ行くと 甲府。

さらにすすむと、東京に着くよ。」

と、無残なアドバイス。

わたしは、とぼとぼと歩き出す。

道は一本道。

凍える寒空から、ハラハラと舞い落ちる白い雪。

突き刺すような寒さに、呼応するかのように、

鼻水が流れてきた。

30分ほど、歩くと、コンビニが見えて来た。

おにぎりを買い、コーヒーを買う。

何故か、コンビニではSUICAが使えるようだ。

30分も歩けば、もうさすがに飽きてくる。

わたしは歩かずにすむ方法を一生懸命考えはじめた。
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銀河鉄道なわたくし。

とりあえず、缶コーヒーでも飲もう。

自販機のに、SUICAをかざす。

ん?

かざす場所ないよ???

あ!

そうだった! 長野、SUICA 使えないんだった!

しまった。

ということは、現金、9000円?

てゆーか、使えるお金、もうないじゃないか・・・・

ここから、茅野までは、わずか一駅。

まあ、最悪、歩けない距離ではないはずだ、と私は改札を抜けた。

大阪のくいだおれ人形のような風体の駅員に、茅野までの距離を訊ねる。

「え?正気ですか?ここから、茅野まで、7キロくらいありますよ?3時間はかかる」

と、本当に驚いた顔で答える、駅員。

「茅野までは、一本道ですか?」

わたしは、スタンド・バイ・ミーよろしく、線路を歩いて、茅野までいってやろうか?とも考えた。

けれど、現在のこの不運さから察するに、貨物列車に轢かれかねない。

ここは、間違いのない、最短コースを知る必要がある。

「ちょっと、お待ちを」

そう言うと、その駅員は、地図を持ってきてくれた。

なるほど、遠い。

私は、以前ふるさとで、深夜「4時間ほど、ただひたすら歩く」という、ゲリライベントに参加した経験がある。

あのときは、見慣れた景色だったが、今回は見知らぬ土地。

この、身を切る寒ささえ無視すれば、結構楽しいかも知れない。

実は、神様がくれた、隠しイベントだったりして。

あのときは、4時間も歩けたのだ。3時間くらい、なんとかなるさ。

電車の中でぐっすり睡眠をとっていたこともあり、残念なことに、私のテンションは高かった。
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星霜の夜

凍りつくように、寒い。

こりゃたまらん。

私は、ホームから、改札に駆け上がる。

駅員に最終列車の発車時刻を尋ねる。

23:19 それが、最終。

それに、乗ることが出来れば、なんとか、上諏訪まで戻ることが出来そうだ。

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上諏訪は、わたしの目的地である茅野のひとつ手前の駅。

最悪、駅のひとつ位なんとかなるだろう。

そうおもいながら、私は所持金を確認する。

現金 9000円 SUICA 19000円 そして、小銭が少々。

①宿泊所の宿代金を到着時に払うこと

②朝、現場までのタクシー代金を払うこと

を、考えると、現金は、もう使えないなあ。

もう、コンビニでお金も引き出せない時間だし・・・・。

そうこう思案するうち、上諏訪に到着した。


つか岩石

高校生の頃、沢木耕太郎の「深夜特急」に心酔していた。

アジアを旅する若者の話。

サラリーマンとして、出社初日。

主人公は、バスで、アジア横断を決行する。

まあ、よくある話なのかも知れない。

けれど、作家の文章力により、どことなく寂寥感をともなう、リアリティ溢れる素晴らしい作品となっていた。

何度も、何度も、読み返した。

そして、いつか、大人になったら、そんな先のわからない未知なる旅に出てみたい、そう思っていた。

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前回の、あずにゃん乗り遅れの反省を、生かして、「おやつはあらかじめ準備」

今回は、本当に本当に、準備万端。

終電2本前のあずにゃんで、余裕の信州へ。

準備していた、カフィーのおともにと、車内販売のアイスを注文。

「少し、時間をおいて、召し上がってください」

そう言葉を添えて渡されたアイスは、岩石のように凍っていた。

280円の超高級アイス。

余裕の旅行行程が、気持ちを大人にさせる。

ふふん。280円?へいちゃらさ。

ブリリアントな汽車の旅。

前回とは一味ちがう。そう、私は成長したのだ。

どうれ、少し溶けるのを待って、このアイスめを食したあと、

アラームをセットして、少し休むとしよう。

茅野までは、2時間はかかる。

そう考えながら、ほんの少しまどろんだ。

本当に、ほんのすこしまどろんだのだ。

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聞きなれない地名の、アナウンスが流れる。

ん。

まどろみながらも、時計を見やる。

アイスを買ってから、もう下手をすると、3時間近く、時が流れている。

280円のアイスは、足元に転がっている。

「しまった。乗過ごした!」

血の気が引く。

ここは、どこだ?とにかく、降りよう!

アナウンスされた駅へ、飛び降りる私。


その駅は、聞いたこともない名前だった。

ただ、静寂な暗闇が私を迎えた。


高校生の頃、先のわからない未知なる旅にでてみたいと、そう思っていた。

しかし。

信州の冷気は、私を歓待しているようにも思えた。

空から、舞い降りる白雪。

不思議と、すこし愉快な気持ちになる。

夜分22:30 私の望むべくもない、残念な旅が始まった。

ハリケーンミキサー

今日は、ハリケンポリマーな一日だった。44716858.jpg


朝、出社する際、わたしは、考えていた。

風は4方向から吹く。

であれば、帰宅時、暴風域圏内に突入しても、4分の1の確率で

追い風になるのではないか。

すなわち、追い風を背に楽に帰宅できるのではないか、と。

以上の理由から、シルバーホーク号(自転車)で出撃。

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そして、ハリケーンが到来した。かなり本気だ。

わたしは、ハリケーンミキサーをくらうウォーズマンよろしく、吹っ飛ばされていた。
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シルバーホーク号の出る幕はない。

自然はぱねえ。

夕刻、足を運んだすきやさんの来客が、みんな風呂あがりのような、頭をしていておもしろかった。

雪のちカレー ライス

信州の朝は寒い。
その寒さに耐えつつ、顔を洗おうと、起き上がる。
メガネを掴んで、我に返る。

足のとれた、昆虫のような有様のめがね。
「そうだ、昨日壊れたのだった。」
昨日の、乗り遅れ、そしてラーメン事件のあと、
宿泊施設の部屋で、雑誌を読んでいたところ、めがねが、壊れてしまったのだ。

もう、この旅は、フルボッコにされる旅だから、と、気持ちが揺らぐことはなかった。
予備のめがねに着替える。

ぐだんぐだん。

そう、古すぎて顔のサイズをはるかに凌ぐ広がりで、
頻繁に落ちそうになる。
まったく、もう、どうしようもない。

その日の昼食。
私は、カレーを頼んだ。
食いしん坊の名にかけて、もちろん大盛り。

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おいしそうな香り。

うっとりとして、顔をお皿に向けたとき、視界が不安定になった。



目の前には、まるで、カツカレーのように、
メガネカレーが、横たわっている。

その手があったか!

メガネ落下。

もう、不幸の連続に、言葉もなかった。

めがねの部分をよけて、カレーを食べる。

まだまだ、このようなじわじわ系の不幸が続くのだろうか・・・・・

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