星霜の夜 [日常]

「私は、壁にかかってる花でいいです。」

は?

「だから、もうひっそりと、みんなが楽しそうにしているのを見ていれば、それでいいんですよ。」

そう言って、上品に頷き、優しく微笑む。

へ?

もう、10年以上昔のハナシだ。

その時は、

「なに、いってんだろ?このひと?」

そう思い、特に気にも止めずおやつをほおばる。

その時は、本当によく理解できなかったのだけれど、最近すごくわかる。

他人とは、干渉せずに、ただ、眺めていたい。

関わりあい私見をぶつけるよりも、俯瞰で優しく見守る度量が欲しい。

気がつかなかった。

他人に自分の意見を伝えれば伝えるほど、自分の心もそれ以上に傷ついていた、ということを。

「話せば、わかるはずだ。」

「何故、自分にできるのに、あなたにはできないの?」

「なにか、できることはないだろうか?」

「大丈夫だろうか?」

何故、何故、どうして、どうしよう?

他人への干渉は無限地獄の連鎖。

答えは簡単、他人は自分ではないから。

それぞれの道標を持ち、それを目指したそれぞれの一生懸命がある。

もともと他人に干渉することそのことが、私の思い上がりなのだ。

私は、もしできることなら、たとえば星空でいい。

俯瞰で、ただ、大好きなみんなをほけーっと見ている。

安らかな寝顔をほけーと見ながら

「あーバカ面してるよなー」とか思ったりして。

それを幸せに感じる、それくらいの心の広さを持ちたい。

他人のあるがままを慈しむことができるような。

そんな人生をいつか送りたい。

出会いの奇跡に感謝しながら。

その星霜のもと、同じ時代を生きることができた、そのことに感謝をしながら。

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