ぶチョリーナとテスト [ブチョリーナ]

フォーン・アツギの街が夕暮れ色に染まる。

初秋の風が、夜の帷を連れてくる。

さあ。戦いが始まる。

そう、テストが始まるのだ。

試験会場。

何故か私の視界には、ぶチョリーナの姿が。

替え玉を頼んだ時に、

「それは、無理」

だと、答えた理由がよくわかった。

同じ日に、受験だったのね?

そりゃ無理だろ?いろいろ。


私は知っている。

ぶチョリーナは、今回のテスト様に配布されたテキストを

1ページ足りとも、開いてはいない。

机の上に置いたままだ。コーヒーのコースター代わりになっている。

かつて教える側にいた人間の矜持だろうか?

私は、勉強をした。ライサバAT100を狙って。

だから、さすがにこのテスト、勉強せずに合格は厳しいと思うのだ。

試験開始から、7分。

ぶチョリーナが、退席する姿が見えた。

うそお?

考えられない。

まさか、試験を放棄したのだろうか?

それとも、もう終わったのだろうか?

心配になる。

私は、一問だけ、あやふやな問題と対峙していた。

あんなに勉強したのに、何故こんなみたこともない問題が出るのだ?

私は、先に退出したぶチョリーナの安否を気にしながらも、

ビリヤード店Fのみんなと参加した九州オープンの試合を思い出していた。

試合の時には、今まで出会ったことのない玉と出会う。

私の目の前で、Tツヤが、スクラッチコースも捉えたサイド前のゲームボールのあつみを見ている。

「うわわ、あれ、スクラッチやない?」

みんなが見守る中、何度も何度もフリを考えるTツヤ。

そして、散々悩んだ挙句、覚悟を決めて突いた打点で、スクラッチ。

勝ち残れなかった。

「あー。なんで、試合の時っち、難しい玉ばっかりなんやろ?」

そう、叫びヘタリこむTツヤ。

今の私がまさにその状況だ。

どうなんだ?

私は、文面を何度も何度も読み返し、答えを記入する。

テストは30分くらいで終了。

私は、退室してぶチョリーナを探す。

だが、ぶチョリーナの姿はどこにもない。

何も言わずに帰宅するような人ではない。

何があったのだ、ぶチョリーナ?

つづく


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