伝説の髑髏3④ [ビリヤード]

ビリヤード店Fに着く。

店内カウンターの受付用紙に名前を書く私。

店番は、無チダ氏。

私は、キューを買った旨をこぼす。

「これなんやけど・・・」

キューを見せる。

テカテカに安っぽく輝く残念なマイキュー。

「これ、いくらやった?」

尋ねる無チダ氏に、金額を告げると、

「これ、そんなにせんよ、2,000円くらいよ」

と、死にたくなるようなセリフが返ってきた。

むぎゅう・・・

「キューなら、うちでも、扱っとるよ。相談してくれればよかったのに。」

ビリヤード店Fがキューを扱っていることは、知っていた。

けれど、相談することが、なんだかまだ、はずかしかったのだ。

もう少し上達して、そう、あと一年くらい修行をして、真の常連になってから、

ハウスであるビリヤード店Fでキューを吟味したかったのだ。

ちゃんとしたキューを。

私が、あわてて購入した10,000円のプリントキューは、実は2,000円の価値しかない。

そう、あわてる乞食はもらいが少ないのだ・・・。


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