伝説の髑髏3③ [ビリヤード]

もう、ブレーキはかからなかった。

お買い上げありがとうございます、おれ。

10,000円のプリントキューは、まるでおもちゃのようだった。

握った感じも全然シャープではなく、

玉を突いたときの感触もなんだか、愚鈍な感じがした。

シャフトが太く、気分が悪い。

「やべえ、やっちまったかな?」

後悔に包まれる。

安かろう、悪かろう、とはよくいったものだ。

とりあえず、せっかくなので、TOップで、1時間、玉を突くことにした。

マサカッツ氏のキューからは、玉を突くたびに心地の良い快音が響く。

だが、私のキューは、おニューなのに、なんだか全然ダメダメな感じ。

いまさらだけど、ヒューブラーが、恋しかった。

同じ、キューなのにこんなにも違うものなのか・・・。

多分、それは単なる思い込みだ。

D級の腕前で、キューのせいにするなんて、おごがましいのだけれど、

そのときは、本当にそうおもっていたのだから、不思議だ。

われわれは、1時間玉を突き、ビリヤード店Fへ、向かった。
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