恐怖の代走6麻雀) [麻雀]

私は、後ろの無法者の良く見えるように、ツモッてきた9ソウを手牌の左側に留め、
「この9ソウを持ってきたから降りるんだ、良く見とけ」とばかりにリーチの現物の4ソウを抜き打った。
絶対に振るな!、というご主人の言いつけを忠実に守る形となったのだ。
「一発ツモ、6000オール」12345678②③④⑤⑤ 3ツモ。
ドラを大切にした為、面子過多のソーズの上を払ったのだろう。
リーチ一発ツモピンフドラドラ。9ソウを切っていたら、18000点。
18000発位は殴られていただろう。
いろいろな意味で、即死はまぬがれなかったと思われる。
6000点を点ハコから、、一発のご祝儀2000円を無法者のカゴから払い、
9枚の手牌を全力で全自動卓の開口部に叩き込んだ。
証拠隠滅。助かった。

奇跡の生還。生きてるってすばらしい。

無法者と交代すべく席を立つ私に、声がかかった。

「おう。若いの。よく9ソウ止めたなあ。たいしたもんだ。」

無法者は私を褒め「、なんか、食え。」と1000円札を手渡した。
「ええ、小牌ですから」なんて、答えるわけにはいかないので、軽く会釈をして、
「バイトにいきます」と雀荘を離れた。
その1000円はなんだかものすごくくだらないことに使った記憶がある。
また、チョロチョロその雀荘に顔をだして、
常連達から「あの時小牌していただろう?」なんて言われたら、目も当てられないので
、2.3ヶ月は店には近づかないようにした。

今でも、思い出し、考える。
あの時の私の小牌は既にバレていたのではないか、などと。
今でも小牌の夢は寒い日なんかに良く見る。まったく持って忌まわしい記憶だ。
でもね、よくよく考えると、悪いのはどう考えても、私である。
今、この場を借りて謝罪します。小牌してごめんなさい。  END


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