俺の上司がこんなに悪いわけがない。(日常)

お昼、ブチョリーナと、ブチョリーナの子分のくまごろう君と三人で、ラーメン屋Mへ向かった。
またしても、坦々麺を食べる為だ。
ウルトラヴィッツ2号は、亜高速で目的地へ向かう。みんな、腹ペコだ。
テーブルに着くと、3人ともメニューには一瞥もくれず、注文する。当然食べたいメニューはみんな坦々麺だ。


ふと、視線を落とすと、我々の食卓となるテーブルの中央に、一匹の蟻さんがいた。
蟻の癖に静々と、テーブルの左から右へ、歩いている。

 なにを思ったのか、ブチョリーナがいきなり冷たい氷水(お冷)の入ったガラスのコップで、蟻さんを閉じ込めた。
コップの底の凹型のへこみに閉じ込めたのだ。

「蟻のやつ、寒くて、きっとびっくりしてるぞ。」
ブチョリーナは、楽しそうに言い放つ。蟻に意地悪をしているのだ。

「そろそろ、許してやろうかなあ」
許すもなにも、蟻は何も悪いことしてないのに。
私は、そう思ったけれど、突っ込むのは面倒くさいので、知らん振りをしていた。

ブチョリーナが、コップを上げると、そこには、黒い破片があるだけ。

よく、見ると、それは、蟻さんの足だ。

ブチョリーナは、やってしまった。という表情をして、コップの底を見る。

そこには、変わり果てた蟻さんの姿があった。

楽しいお昼のひと時が、一瞬にして嫌な空気に包まれた。

ブチョリーナは、蟻さんに意地悪をしているだけのつもりだったのだろう。
だが、蟻さんにしてみれば、まさに命がけの、出来事だったのだ。
自分にとっては、軽い気持ちでの所作が、相手の命を奪うこともあるのだ。
まあ、今回は相手といっても、昆虫だけれど・・。
私は、改めて、相手の目線に立って考えることの大切さを感じた。
もし、ブチョリーナが、蟻さんの気持ちを、少しでも考えることができたのなら、このような悲劇は起きなかっただろう。

ブチョリーナは、この惨劇の後、何事もなかったように、ティッシュで蟻さんを包んでテーブルの脇に放置して、知らん顔をした。私は、ブチョリーナの所作をしこたま非難したが、当然のようにガン無視である。
 ブチョリーナはやがて、運ばれてきた坦々麺に本当に何事もなかったように、箸をつけた。
 そう、何事もなかったのである。彼の中では。
 私は、ブチョリーナの悪党っぷりに恐怖した。もはや、アンタッチャブルなんてイカした存在ではない。
完全なワル。ダークな存在である。

 ブチョリーナは私ごときが、なんとかできる存在ではない。
 きっと第六天魔王の生まれ変わりの子孫か何かだと思う。
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