ブルーチケット

「このブツを本社に届ければ今日のミッションは完了だ。」

そう考えながら、助手席のブツをチラ見して、警戒にアクセルを踏む私。

このブツは弊社の運命を担う大切なもの。

私はその重責に心地よいやりがいを感じ、慎重に進路を南へとる。

ウルトヴィッツ2号は、東京タワーの脇を軽快に走る。

ウルトラヴィッツ2号に搭載されている教育型コンピューターが、進路方向を指示する。

「次の交差点を、左折です。」

その音声に慌てて、左車線へ、車線変更をする。

ん、黄色いレーンだが、止むを得まい。

車をすべりこませる私。

左折した先に、険しい顔をした女の人が、トオセンボ。進路を塞いでいる。

「進路変更の違反です。」

その婦警さんは、そう冷たく言い放った。

しまったーーーー。と内心思ったが、とぼけることにした。

「え?なんのことでしょう?」

すると、横断歩道の上から、アメリカンなホポリスマンが降りてきて、

「私は上から目視していました。あなたは、違反をしました。」

揺るぎない強い口調。

バスケの試合だって、線は七回まで、踏んでも構わない。

なのに、一度、黄色いラインを踏んだからといってどうだというのだ。

誰にも迷惑をかけていないし、安全確認だって十二分にしている。

ひとっこひとりいない、車もとおらない、みとうしのよい交差点の赤信号を、守るような馬鹿なこと、したくない。

とりあえず、屁理屈をこねて、抵抗しようかな、と考えたが、今回は、自分が悪い。

まあ違反は違反。そうゆうものだ。

大切なブツを運ぶ途中なので、ここは、不本意だが、お縄につくとしよう。

ブルーチケットを切られる。

婦警さんは、笑顔で

「すみません、ありがとうございました。」と。

??
ありがとうって、どういううことだ?!!!むうううううううううううううううう。

礼を言われる筋合いはない。

「すみませんといわれる、覚えはありませんから」

そう、クールに吐き捨て、ハンドルを握る私。

心の中は悲しみの嵐が吹き荒れていた。

あーあー、6,000円あれば、本当にいろんなことが出来るのに・・・・・。

本社に帰着するまでの2時間半、ずっと

「6000円あれば、何が出来るか」考えていた。

カツ丼が9杯食える。

あんドーナツが60個食える。

あの坦々麺でさえ、5杯食える。

うまい棒ならば、600本。

なんという、不幸だろうか・・・・。





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つまてつ

デラックス肉まんだと40個買えますね^^

麻雀1回300円なら20回打てますね^^

小田急本厚木までなら33回乗れますね^^

球なら15時間撞けますね^^

缶コーヒーはダイクマに行けば100本近く買えますね^^

ご愁傷さまでございます・・・

私の記憶が確かならば次に切られる切符はレッドですよ~

お気をつけて!
by つまてつ (2012-02-20 17:13) 

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