行きつけの店。 [日常]

小学校の頃、いや、幼稚園の頃から、

超常連だったその店がなくなっていた。

郵便局の前のその店はP(駐車場)となっており、

何とも言えない物悲しい気持ちで胸がいっぱいになる。

帰省したときでも、必ず私は足を運んでいた大切な場所。

その店で、きゅっと一杯引っ掛ける。

そうすることで、自分の居場所を再確認していた気がする。

小学生のときに、100点をとってもらった500円札。

全力でその店へ。

欲しかったメンコや、プラモに心踊る。

400円使って、残りの100円で、

よっちゃんイカをつまみに、ベビーコーラでいっぱいやる。

家では炭酸は禁止されていたので、

どきどきしながら、飲みほす。

家に帰ってゲップがでると、ばれるから

上級生のギャラクシアンを眺めたりして、

コーラが体に染み込むことを待った。

店のママは、割烹着で、あたりのカードで

カードのアルバムをプレゼントしてくれるブラボーマダム。

前回帰省時に、マダムが

「もう、赤字どころの騒ぎやないんよ。

でもね、ここまでがんばったんやけ、ね。」

とこぼしていたことを思い出した。

時は流れ、全てはセピア色になる。

また、私を育ててくれた景色があっけなくだめになった。

井口模型玩具店

おもちゃと駄菓子、

子供の夢の全てがそこにあった。

ベビーコーラ.jpg


1本30円

当たりが出たなら、もう一本もらえる。


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