ファンタの力 [ブチョリーナ]

ふと、気がつくと、またいつもの日常に戻されていた。

帰省中のことは、もはや夢のよう。

いやあ、一瞬だったなああ。

いつもと変わらない「味気ない日常」を懸命に楽しむ為の努力が必要な日々。


ぶチョリーナと、後輩のくまごろうくんとのお昼。

坦々麺を食べにおでかけ。

くまごろうくんの運転するウルトラビッツ2号のエネルギーがエンプティ。

エネルギー補給のため、GSへ。

くまごろうくんは、基本ノーキャラ。

わたしのポケモンを育ててくれることが、主たるお仕事だ。

たまごをたくさんくれるので、重宝している。

クルマはGSへ向かう。

「試しに、ガソリンの代わりに水入れてみようぜ?

案外問題なく走るんじゃなイカ?」

くまごろうくんに、高圧的に話す私。

「そもそも水で、クルマが走らないなんていうのは、単なる思い込みかもしれない。

水では、こころもとないというのなら、ファンタグレープでも入れるか?

炭酸で、ずいぶんな勢いで走るかも知れない。

喉が乾けば、飲むこともできるし!なあ、そこのコンビニでファンタ買おうぜ!」

まくし立てる私。

「ええ?クルマ壊れちゃいますよ」

困惑して答えるノーキャラくまごろうくんの返事に、ぶチョリーナの声が重なる。

あ、あまりにも無口なので、その存在を忘れていまひた・・・。

イケボが響く。

「だめだ。」

ガソリンは、1リットル145円。だが、ファンタは1リットル200円はかかるだろう?」

確かに!

会社の経費としては、かなりの負担増になるし、20リットルのファンタを給油する労力も大きい。

鶴の一声ならぬ、ぶチョリーナの一声で、普通のレギュラーガソリンを給油して帰社した。

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