母が2階で、洋装店を営んでいた。

その1階に叔母の営む喫茶店があり、そこに少年ジャンプが置いてあった。

キン肉マンの第一話もそこで、リアルに読んだ。

小学生だった。

ジャンプは大人への入り口のひとつだった。

それから、中学生になり、初めて自分のお金でジャンプを買って

30年あまり、私はずっと少年ジャンプだけは読んできた。

年間1万2千円の支出として、20年間で24万円、ジャンプのために。

漫画世代を誇りに思えるほどの、秀作が続出していた黄金時代。

サンデーやマガジン、キング、チャンピオン、と、他の少年誌と決別してもジャンプだけは・・。

少年とは呼べない年齢になっても、読み続けてきた。

どんなにつまらなくても、我慢をして。

音楽には、音にしか表現できないものがあり、

映画には、映像でしか表現できないものがあり、

小説には、文章でしか表現できないものがある。

漫画にも、漫画でなければ、表現できないものがある。

コマわり、とセリフ、最近はどの漫画も同じに見える。

それでも買い続けたのは、

ジャンプを少年誌の革新として、信じていたかったから。

だが、最近もう我慢も限界にきている。

はっきりいって、おもしろくない。

つまらない。

友情も勝利も努力も記号となり、意外性もリアリティもかけらもない。

同じことの繰り返し。

まあ、やむを得ない。

今週までは、買おう。

それは、行き着けの書店の前で、

店員さんに

「ジャンプですね?」

と声をかけていただいたからだ。

今週号までは、読もう。

けれど、来週はもう買わないよ。

本当だよ。