ふりーざコンビニの駐車場に車が止まっている。

若い男の子の2人連れ。

弱そうな2人なので、絡まれたり、トラブルになることはないだろう。

もう歩くことに飽き飽きしていた私は、彼らに声をかける。

「もし、茅野方面に行かれるのでしたら、乗せてもらえませんか?」

沈黙が続く。

「い、いや、無理です」

少し間があったが、あっさり断わられた。


残念・・・・・・。

私は、また歩き出す。ひたすら、凍てつく夜道へ、一歩を踏み出す。

鼻水が凍ってきた。

もし、タイムマシンがあれば、

列車内で、惰眠をむさぼる自分をポカポカ殴ってやりたい。

後方から来る車に手を上げる。

ヒッチハイクだ。もうこれしか手段は残されていない。

誰か乗せてください。寒いんです。

だが、ガン無視。

そのあと、何度も、何度も、手を上げる。

ひたすら、祈りを込めて。

だが、完全に無視。

足の指先の感覚も怪しくなってきた。

歩き出して3時間半、ようやく茅野に着く。

とんでもない、経験をした。

宿泊所のフロントに、人影はなく、メモと私の部屋のキーが置かれていた。

メモには、

「お疲れ様でした」の文字。

不覚にも、涙が出そうになった。

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ドラゴンボール、読み返してます。