とある美術館のキュレーターと、園児の絵を観る。

わたしにとって

「これ、大丈夫っすか?」

と思わざるをえない色彩の絵画も、説明を受けると感動すら覚える。

ちびっこたちは、つたない経験をおのれの全てを、白いキャンバスに表現する。

全て、駆け引きなしだ。

よい評価を受けようとか、他人をおとしめようとか、そんなこと、一ミリも考えていない。

ただただ精一杯に、色を躍らせる。

あるがまま、の美しさ。力強さ。

それを教えられた。

ずるい大人になった私が、ひさしく忘れていた夢中な様子。

やはり、精一杯は素晴しい。

にわか仕込みの知ったかぶりや、上手な立ち回りなど、介在するイトマがない。

ひさしぶりに、モーレツに絵を描きたくなった。

画伯よろしく、何かを表現したい。

筆が踊る。

画材を出し、キャンバスの前で瞑想する。

いくら時間がかかっても構わない。

なにを描こう?

にゃんこは、どうだろうか?




むう。

どうしたものか?

少し、届いていない感じを受ける。

どうやら、現在の画材では役不足のようだ。

明日、まずは100円均一で画材から整えよう。