銀河一美味しいやきとりを作る、じろちょうのたいしょう。

2人で、毎日のように玉を突いていた時のことを、最近よく思い出すんだ。


私の突いた玉が一直線に、狙っていたポケットへ。

惜しくも、穴前ではじかれる。

「おしいばい。くー」

そう嘆く私に、たいしょうは必ず

「おしいじゃ、ダメなんよ!おしいじゃ!つかぴい、おしいじゃダメ!。」

と必ず言葉をかぶせた。

例外なく必ず。

例えばたいしょうが、トイレに行きかけても、振り返って

「おしい、じゃダメ!」

と口にする。

みんなで、大分の別荘に出かけて、晩御飯。

焼けてない肉をハシでつまみ、

「おしい!」

と口にしたときも、

「おしいじゃダメ!」

と言われた。

また、たいしょうは、自分で「おしい!」とうっかり口にしたときも

「おしいじゃダメ!」

と自分に突っ込む。

当時は、あまり気にしてなかったけれど、

最近このやり取りが、よくフラッシュバックする。

何か、中途半端になりそうなとき。

面倒くさくて諦めそうなとき。

何故か、たいしょうの言葉が脳裏をよぎる。

、もうおしい、とかなんとか、状況を先送りできる年齢ではなくなった、ということか。

決断をして、結果を出さなければいけない。

おしい、では、もう意味をなさないのだ。

もう、何年も前のことなのに、こうやって記憶が鮮明に蘇ることになんだか不思議な感覚を覚える。