だいじょうぶマイフレンド [やきそば部]

私の魂のやきそばが、足元に転がっている。

私は、やきそばを、真剣に見つめる。

キャベツ、青海苔、見た感じ、異常はない。

健康なやきそばが、「ただ、地面に接触した」という瑣末な理由で、食べることが出来なくなる。

こんな、理不尽があるだろうか?

だいじょうぶ。だいじょうぶ。やっちゃいな!

頭の中で、声がする。

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休み時間は短い。決断が必要だ。

私は、割り箸を掴み、パックを受け皿に、やきそばの救出を試みる。

地面に接触していない、健康なやきそばのみ、救う。

ミスは許されない。

もし、地面に接触した部分のやきそばを誤って救出してしまうと、きっとおなかを壊してしまう。

命がけの救出作業。

その結果、救出可能だったやきそばは、本来の質量のわずか20パーセントくらい。

とても、食べることのできる、量ではない。ちょっぴりにもほどがある。

私は、救出したやきそばを、哀しく見やり、そのままゴミ箱へと、葬送する。

あまりにも、悲惨な事件。

そこから学んだことは、やきそばの本質は、めん。

ゆえに、どこまでも長く繋がっており、一部でも汚染されると、もうアウトだという哀しい真実。

やきそばは、他の食品よりも、デリケートなのだ。

200円。

それは、高校生の私にとって、大金。眩暈を覚えるほどの喪失感。

いまでも、足元の転がるやきそばの姿を思い出して、具合が悪くなる。

それでも、私はやきそばを嫌いになることはなかった。

その、想いあってのことだろうか?

それから、4年、わたしは、世界一おいしい、やきそばと出会うこととなる。
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